異動前から、事務リーダーには 「新設されたばかりの場所だから、それほど忙しくはない。むしろ暇だから何しようか」 と言われていた。
だから暇になることは、ある程度覚悟していたつもりだった。
異動して2週間は、何とか精神を持ちこたえた。
しかし3週間目に入った月曜の朝、天気は雨のち曇り。 そんな冴えない一週間の始まりに、精神的にドカンときた。
仕事がない。 ただそれだけのことが、こんなに辛いとは。
人生をかけた40歳での転職だったのに、まさか入社5カ月目で社内ニートになるとは思わなかった。
前職より月給が5千円ほど下がることは分かっていた。 それでも、全国規模で60年近く続いている会社だから、前の会社より安心できるはずだと勝手に思い込んでいた。
企業研究が甘すぎた自分がいる。
半年前の自分をぶん殴ってやりたい。 まさかこんな状況になるとは、あの時の自分には予想できなかった。
後悔しているのか、後悔と呼ぶのも悔しいから、もう自分でも分からない。
開き直って社内ニートを満喫してやろうと思った時期もあった。 だが目の前で忙しく時間に追われている人がいる限り、自分の立場と比較せずにいられる人間の方が少ないはずだ。
社内ニートの辛さは、暇であるがゆえに脳内で自分と対話する時間が異常に増えることだ。
しかも場所は職場という環境。 脳内の会話は、常に仕事を中心に回る。
「何をやっているんだ」 「仕事やりたくないって言ってたくせに、なさすぎるのも辛すぎる」 「周りはみんなイキイキしてる」
挙句の果てには 「お忙しいところすみません、今大丈夫ですか?」 なんていう、社交じみたフレーズまで脳内で再生される始末だ。
見ての通り、忙しいわけがないだろう。 そう自分に突っ込みを入れたくなる。
いや、突っ込みを通り越して、怒りに近い感情すら湧いてくる。
近くに座るもう一人の20代事務員も、本来は暇なはずだ。 それなのに他の人から仕事を頼まれている姿を見ると、心の中で「うおおおおおおお」と絶叫したくなる。
中年のおばさんは、心の中でこれほど複雑な感情を抱えているのだ。
こんなくだらない感情に支配される自分が虚しい。 半年前までは、自分の意見をきちんと言えていた職場にいた。
あの環境が、今は懐かしくてたまらない。
ああ、自分は一体何のために転職したのだろう。 そんな考えが、8時間ずっと頭の中をグルグルと回り続ける。
先日、拠点営業所の所長から仕事をもらった。 Excelで管理表を作成するという内容で、2日程度で終わってしまった。
ダラダラ時間をかけるほどの内容でもなかったので、仕上がり次第すぐに渡した。 それでも、こだわる必要などまるでない表の配色や罫線の種類を変えてみたりして、よく分からないことに丸1日かけて過ごす日もあった。
社会人生活はあと少なくとも20年。 子供の教育費がかかるこの先10年は、残業があっても頑張ろうと意気込んでいた。
だが、自分がどう思っていようと、世の中には自分の意思ではどうにもならないことの方が多いらしい。
社内ニートの辛さを、今後も綴っていこうと思う。
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